門脈ガス血症におけるAPACHEⅡおよびSOFAスコアの意義

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  • Impact of APACHE Ⅱ and SOFA Scores on the Clinical Outcome of Patients with Hepatic Portal Venous Gas

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2005年から2012年に経験した19例の門脈ガス血症について,手術の有無,転帰から比較検討した。原因は非閉塞性腸間膜虚血7例,腸炎3例,癒着性腸閉塞2例,小腸壊死1例,絞扼性腸閉塞1例,小腸捻転1例,医原性1例,原因不明3例だった。7例で手術を施行し,内訳は小腸部分切除3例,大量小腸切除+右半結腸切除1例,癒着剥離1例,人工肛門造設1例,試験開腹1例だった。原病死は手術例で1例,非手術例で3例だった。非手術例では死亡例の3例以外は腹膜刺激症状を認めず,保存的治療を選択する判断根拠の一つとなった。転帰で比較すると,診断時のAPACHE Ⅱ,SOFAスコア,乳酸値,ショックの有無で有意差を認めた。慎重な判断が必要だが,腹部所見が軽微かつCTで腸管壊死を示唆する所見に乏しい門脈ガス血症は保存的に治癒しうる。またAPACHE Ⅱ,SOFAスコアは門脈ガス血症の予後予測の指標となりうる。

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