盲腸穿孔で発症した腸管ベーチェット病に対し術後低用量ステロイド投与が著効した1例

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  • Improvement of a Case of Intestinal Behçet’s Disease After the Postoperative Administration of a Low-dose Adrenocortical Steroid

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抄録

<p>術後の病勢コントロールに難渋した腸管ベーチェット病に低用量ステロイド投与が著効した1例を経験した。症例は24歳女性,消化管穿孔の診断で緊急手術となり,盲腸に打ち抜き様潰瘍の穿孔を認め,回盲部切除術を行った。術後に発熱,炎症反応高値の遷延,下血を認め,問診,身体診察と切除標本所見から腸管ベーチェット病と診断し低用量ステロイド(ヒドロコルチゾン100mg/日,プレドニゾロン換算で25mg/日)を投与したところ症状,採血データとも著明に改善した。腸管ベーチェット病の寛解導入にはステロイドが使用されるが,穿孔で発症した症例では腹腔内感染の増悪の危険性があるため,ステロイド投与の判断は難しい。投与量に関しては明確なコンセンサスは得られていないが,自験例のように低用量でも著明な効果を示す場合があり,穿孔例では感染増悪のリスクを軽減するために,低用量からのステロイド投与開始を検討する価値がある。</p>

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