肩甲骨関節窩の前傾角度について:MRI斜矢状断像における検討

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説明

目的は肩MRI斜矢状断像における肩甲骨関節窩の前傾角度を検討することである.2011年に施行された175肩のMRI斜矢状断像を評価し,Z軸に対する関節窩長軸の前傾角度を計測した.手術された23肩では,関節窩長軸を基準として撮影したMRIの報告書と手術所見を対比した.<BR> 前傾角度は最小19度,最大50度,平均38(標準偏差:5.7)度であった.関節窩長軸を基準として撮影したMRIにより,前方複合体損傷(n=16),Hill-Sachs lesion(n=15),腱板損傷(n=7),SLAP lesion type 3(n=1)をほぼ正確に診断できた.<BR> 肩甲骨関節窩の前傾角度にはかなりのばらつきがみられた.このことは,通常の撮像面が関節窩長軸と交差する角度にもかなりのばらつきがあることを示す.肩MRIの撮像面は関節窩長軸を基準とすべきと考えられた.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 38 (2), 392-395, 2014

    日本肩関節学会

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