中枢神経保護 (ベンチからベッドへ)―基礎研究をどこまで臨床へ応用できるか?―

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  • Central Nerve Protection: How We Can Translate the Seeds of Basic Science to Clinical Treatment from Bench to Bed

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抄録

  臨床における中枢神経障害への迅速な対応は, 重要である. その理由は, 一過性の脳虚血が時として脳神経細胞死を誘発し重篤な後遺症を残すからである. 長年にわたる研究にもかかわらず, 中枢神経障害へと至る病態の進行を完全に阻止する有効な治療法の確立はなされていない. これまで, 中枢神経障害形成にはグルタミン酸-Ca2+説が重要な役割を果たすと思われてきたが, 真の標的分子は明らかではなかった. 本稿では, 虚血性神経細胞死形成におけるカルシニューリン・イムノフィリン情報伝達系とミトコンドリア機能不全 (MPT) の重要性にふれた. さらに, ヒト脳におけるミトコンドリア機能不全についても述べてみた. また, 中枢神経障害捕捉のための脳機能モニタリングとしてのバイオマーカーの現状に言及し, 麻酔科医として脳保護の可能性ならびに臨床での脳保護・神経再生のあり方を検討した.

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