キチン膜およびコラーゲンスポンジを用いた自己血清点耳療法による鼓膜穿孔閉鎖術

DOI
  • 佐々木 亮
    弘前大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科学講座
  • 欠畑 誠治
    山形大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 廣瀬 由紀
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 耳鼻咽喉科
  • 武田 育子
    弘前大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科学講座
  • 松原 篤
    弘前大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科学講座
  • 新川 秀一
    みやぎ県南中核病院 耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Closing Tympanic Membrane Perforations by Autologous Serum Eardrops Therapy with a Chitin Membrane and a Collagen Sponge

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説明

従来の鼓膜形成術に代わり、自家組織を採取する必要のない鼓膜穿孔閉鎖術の報告が散見されるようになってきた。我々の施設では以前より鼓膜穿孔閉鎖のために自己血清点耳療法 (autologous serum eardrops therapy: ASET) を行っており、その閉鎖率および閉鎖成功の要因について検討した。<br>鼓膜穿孔症例53例55耳を対象とした。治療法は、鼓膜穿孔縁を硝酸銀にて腐食させ新鮮化した後にキチン膜を鼓膜へ貼付し、自宅にて毎日患者自身が自己血清点耳液を点耳するというものである。<br>ASETにより34耳61.8%で穿孔が閉鎖した。年齢、穿孔の大きさ、穿孔を生じてからASET開始までの期間、アレルギー性鼻炎合併の有無、感染の既往の有無についてそれぞれ閉鎖率を検討したが、有意なものはなかった。<br>本治療法は非常に簡便な方法であり、クリニックを含む多くの施設、医師が施行可能な鼓膜穿孔閉鎖法であると考えられた。

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