膵神経内分泌腫瘍術後19年目の肝転移再発が疑われた1切除例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of resection of liver tumor considered to have developed from metastasis of pancreatic neuroendocrine tumor nineteen years after primary resection
  • 症例報告 膵神経内分泌腫瘍術後19年目の肝転移再発が疑われた1切除例
  • ショウレイ ホウコク スイシンケイ ナイブンピ シュヨウ ジュツゴ 19ネンメ ノ カン テンイ サイハツ ガ ウタガワレタ 1 セツジョレイ

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抄録

膵神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)術後19年目の肝転移再発が疑われた1切除例を経験した.症例は58歳,男性.19年前に当院にて膵頭部腫瘍に対して膵頭十二指腸切除術施行.膵島細胞癌(2010年WHO分類ではNET G2)と診断された.再発なく経過し,以後,近医にてフォローアップされていた.1年前に腹部CT検査にて肝S6に多血性の径10 mm大の腫瘍を指摘され,増大傾向を呈したため当院紹介となった.腹部造影CT検査にて肝S6に径20 mm大の遅延相まで造影効果の持続する腫瘤を認めた.増大傾向であり,用手補助腹腔鏡下肝S6部分切除術を施行した.病理組織学的検査で類円形の核を有する細胞がロゼット状に増生している所見を呈し,免疫染色にてクロモグラニンA,シナプトフィジンが陽性であり,神経内分泌腫瘍と診断した.肝原発NETとの鑑別は困難であるが,本症例は膵内分泌腫瘍の肝転移再発と推測された.膵NET術後10年以上経過してからの再発症例は稀であるため,文献的考察を加え報告する.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 54 (5), 326-333, 2013

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (26)*注記

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