Morphineによる大腸運動抑制に対するβアドレナリン受容体の役割について

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タイトル別名
  • Role of the β-Adrenoreceptor in the Morphine-Induced Inhibition of Colonic Motility
  • Morphine ニ ヨル ダイチョウ ウンドウ ヨクセイ ニ タイスル ベータ アドレナリン ジュヨウタイ ノ ヤクワリ ニ ツイテ

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抄録

【目的】Morphine投与で生じる便秘はmorphineが中枢あるいは末梢の交感神経系を活性化して大腸運動が抑制されることによることが示唆されている.本研究はmorphineによる大腸運動抑制において交感神経系,特にβアドレナリン受容体活性化が果たす役割について検討することを目的とした.【方法】Urethane+α-chloralose (ip)麻酔下でWistar系雄性ラット(体重250〜350g)の肛門から約4cmバルーン付きカテーテルを挿入し,圧トランスデューサーを介して腸管運動を記録した.薬剤は大腿静脈に留置したカテーテルを介して投与した.投与薬剤はmorphine,非選択的β受容体拮抗薬propranolol,β_1受容体拮抗薬atenolol,β_2受容体拮抗薬ICI 118,551 hydrochloride(以下ICI)である.β受容体拮抗薬はmorphine投与5分前にそれぞれ投与した.【結果】Morphine (100μg/kg)単独投与では大腸運動は平均33分間抑制された.Propranolol (20μg/kg)前投与後にmorphineを投与すると,大腸運動抑制時間は平均19分間と有意に短縮した.Atenolol (20μg/kg)前投与では平均18分間と有意に短縮したが,ICI (20μg/kg)前投与では大腸運動の抑制に影響を認めなかった.【結論】Morphineによる大腸運動抑制作用に交感神経系,特にβ_1受容体活性化が強く関与していることが示唆された.

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参考文献 (11)*注記

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