婦人科細胞診におけるAgNORs染色法の検討

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  • EVALUATION OF NUCLEOLAR ORGANIZER REGIONS IN GYNECOLOGICAL CYTOLOGY

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抄録

近年, NORs (核小体形成部位) の研究が盛んで, 増殖性病変との関連が明らかになってきているが, 子宮頸部細胞診へのAgNORs染色法の臨床応用は現状ではまだなされていない.今回我々はその臨床応用を目的として, 子宮癌検診受診者100例を対象として細胞採取法, 細胞塗抹法, 細胞染色法およびAgNORs顆粒の計測法を検討した.さらに扁平上皮細胞を無作為に100個鏡検観察し, 以下のような知見を得た.1) 子宮頸部扁平上皮細胞1つの平均AgNORs数 (2.60個) と中層細胞1つの平均AgNORs数 (2.66個) とは極めて相関が強かった.2) 子宮頸部扁平上皮細胞のAgNORsは加齢や炎症, エストロゲン投与, 月経の分泌期で数や大きさを増し, 妊娠では変化しなかった.3) 子宮頸部扁平上皮癌細胞では非癌細胞にくらべ著明にAgNORs数が増加した.また頸癌では非癌傍基底細胞のAgNORs数が増加する可能性があると推測された.

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