書誌事項
- タイトル別名
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- EXPERIMENTAL STUDY OF REGENERATED CILIATED CELLS WHEN AN ARTIFICIAL TRACHEN IS REBUILT USING COLLAGEN
- コラーゲン ジンコウキカン サイケン ニ オケル センモウ ジョウヒ ノ サイセイ ニ カンスル ケンキュウ
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説明
頸部気管広範囲切除後の気管再建に我々はコラーゲン製人工気管を開発し良好な結果を得ている.この材質はbiomaterialともいうべきもので, 本来生体結合織中に存在するコラーゲンによるもので, 人工的に作製過程で免疫性, 異物性を除去すれば生体内に移植可能と思われ, いずれ生体内で結合織と置換され自らは消失するものである.このコラーゲン人工気管の第一の特徴は, 再建気管内腔面に粘膜が再生することで痰の喀出が可能となることを意図している点である.今回そのコラーゲン板の吸収, 置換とともに, 気管線毛上皮の再生状態を動物実験において経時的に検討した.体重約4kgの成熟家兎を用い気管を露出したのち, 5×10mmの大きさに気管軟骨を粘膜まで含めた全層切除して気管開窓を行った.この気管欠損部にコラーゲン板をパッチし縫合固定した.移植後経時的に, 再建部を摘出し, 病理組織学的, 電子顕微鏡的にコラーゲン板の状態, 粘膜上皮の形態変化を検討した.コラーゲン板は, 移植後4週間より徐々にコラーゲン線維が溶解吸収され結合織に置換されはじめ, 12週後にはほぼ置換された.一方気管内腔はまず膠原線維が気管切除端よりコラーゲン板上に延び, その元となる線維芽細胞とともに基底膜, 基底細胞が形成され, 基底層に続いて粘膜上皮が延び, 摘出4週後には本来の正常な線毛上皮が再生される様子が観察された.我々の作成したコラーゲン板は気管再建時, 内腔面には線毛円柱上皮が再生するため気管孔を閉鎖しても痰の喀出が可能であり, 人工気管として有効な方法になりうるものと思われた.
収録刊行物
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- 昭和医学会雑誌
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昭和医学会雑誌 63 (2), 222-230, 2003
昭和大学学士会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204835530112
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- NII論文ID
- 130001822160
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- NII書誌ID
- AN00117027
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- COI
- 1:CAS:528:DC%2BD3sXotlOlsLw%3D
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- ISSN
- 21850976
- 00374342
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- NDL書誌ID
- 026091735
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可