坐骨神経切断によるラット前脛骨筋線維の変化について

書誌事項

タイトル別名
  • MORPHOLOGICAL CHANGES OF THE MUSCLE FIBERS OF THE DENERVATED TIBIALIS ANTERIOR MUSCLES OF RATS
  • ザコツ シンケイ セツダン ニヨル ラット マエ ケイコツ キンセンイ ノ ヘ

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説明

ラットの右側大腿部で坐骨神経を切断し, 術後10日, 20日, 30日に摘出した前脛骨筋について, その筋線維における経時的な変化を対照例と比較した.神経切断による筋重量の減少は10日で27.9%, 20日で50.9%, 30日で68.3%に達し, 筋腹横断面積の減少も10日で15.8%, 20日で52.6%.30日で64.0%であった.Sudan Black B染色によって分類した三筋線維型の太さは, 正常側, 手術側ともにすべての例で白筋線維, 中間筋線維, 赤筋線維の順に大であったが, 各筋線維間の太さの差は経過に伴って少なくなり, 30日例では中間筋線維は赤筋線維と同大までに, 白筋線維は1.6倍までに縮小した.従って筋線維の萎縮率は白筋線維, 中間筋線維, 赤筋線維の順に大であるが, 白筋線維の萎縮率は経過と共に高くなるのに対し中間筋線維と赤筋線維では30日めで, やや高くなる傾向を示した.10日めの筋では核の肥大が見られると共に核小体が明確になり, Central nucleiが所々に認められ, 筋の問質結合組織は10日め, 20日めで増加, 30日めでは減少する傾向があり, また20日例までは, 著しいリンパ球の浸潤が認められた.30日例では筋線維の空胞形成や蛇行および横紋構造の消失が見られた.

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