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  • TWO CASES OF GRANULOMATOUS MASTITIS

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説明

症例1は35歳,女性.左乳房B領域に8×5cm大の皮膚発赤と圧痛を伴う硬結を認めた.乳頭から膿汁流出も認めた.分泌物の培養,細胞診と硬結部の針生検では,乳腺炎の診断で細菌は認めなかった.抗生剤や切開排膿で経過をみたが,硬結は残存し膿汁流出が続いたため,2カ月後硬結部位を摘出し完治した.症例2は,32歳,女性.左AC領域に径6×6cm大の発赤を伴う硬結を認めた.針生検の結果は,慢性炎症で悪性所見は認めなかった.抗生剤および発赤部位の切開排膿で経過をみたが,膿の流出は続き(培養陰性),硬結も残存したため,3カ月後硬結部位を摘出し完治した.いずれも病理では乳管に沿って広範囲に炎症像を認め,多核巨細胞もみられ,肉芽腫性乳腺炎と診断された.肉芽腫性乳腺炎の本邦論文報告は,自験例を加えて42例であった.ステロイドやSeton法などの有効例も報告されているが,治療指針に確立されたものはなく,さらなる症例の集積が望まれる.

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参考文献 (15)*注記

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