海馬培養神経細胞の自己回帰性シナプス伝達におけるSerotoninの作用

DOI 被引用文献3件 参考文献25件
  • 木暮 美樹
    杏林大学大学院医学研究科内科系精神神経科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • The Action of Serotonin on the Self-recurrent Synaptic Transmission in the Cultured Rat Hippocampal Neuron

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説明

ラット海馬神経細胞をmicro-island法により培養し作成した自己回帰性シナプス(autapse,オータプス)を用いて、serotonin (5-hydroxytryptamine, 5-HT)のシナプス伝達に及ぼす作用をwhole-cell patch-clamp法により検討した。5-HTはexcitatory postsvnaptic current (epsc)の振幅を減少させるが,また5-HT1A受容体の選択的agonistである8-hydroxy-dipropylamino-tetralin (8-OH-DPAT)にも同様の作用を認めたことにより,この作用は5-HT1A受容体を介したものである可能性が高いことが示された。また,その作用点がシナプス前末端部に存在し神経伝達物質放出の抑制を起こしたのか,あるいはシナプス後細胞に存在し受容体感受性低下をもたらしたものなのかを明らかにするために,誘発epscの直後に生じるasynchronous epscの振幅分布の解析をおこなった結果,5-HTはシナプス前末端部における受容体に作用し神経伝達物質の放出を抑制していることが強く示唆された。

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