剥離操作における腹腔鏡手術用鉗子先端の作用力計測

  • 吉田 健志
    関西医科大学大学院医学研究科医科学専攻生体応答系泌尿器科学
  • 木下 秀文
    関西医科大学大学院医学研究科医科学専攻生体応答系泌尿器科学
  • 黒田 嘉宏
    大阪大学大学院基礎工学研究科
  • 大城 理
    大阪大学大学院基礎工学研究科
  • 松田 公志
    関西医科大学大学院医学研究科医科学専攻生体応答系泌尿器科学

書誌事項

タイトル別名
  • Force Measurement of Laparoscopic Instrument Tip during Dissection Procedure
  • ハクリ ソウサ ニ オケル フククウキョウ シュジュツヨウ カンシ センタン ノ サヨウリョク ケイソク

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抄録

手術操作のうち臓器から臓器を剥がす剥離操作を行う際,腹腔鏡手術においては鉗子先端に加わる作用力を推測することが容易でないことから,剥離技能を言葉で初心者に伝達することが困難である.今回我々は,腹腔鏡手術における剥離操作の際の作用力(垂直力,水平力)を計測することが可能なシステムを作成し,レベルの異なる術者が剥離操作を行う際,操作中に鉗子先端にどのような力を加え剥離操作を行うのかという技能分析を行った.今回の検討から,熟練者は始めに弱い水平力とともに垂直力を加えた後,垂直力を減らしながら水平力を増加させており,鉗子の先端が剥離開始点より奥に進まないように効率よく力を加えていることが推察された.一方で初心者は,剥離開始から終了までに,水平力と垂直力を同時に強めながら加えていることから,鉗子の先端が奥へ進みすぎてしまう形で力を加えていることが推察された.剥離作用力の定量化は,剥離技術の原理を理解する手段の一つとして有用であると考えられた.

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