気管支喘息におけるβ_2刺激剤による血中インスリン値の変動と臨床的意義に関する検討(第1報)

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Changes of Serum Insulin Level Induced by β_2 Stimulant in Bronchial Asthmatic Subjects (First report)
  • 気管支喘息におけるβ2刺激剤による血中インスリン値の変動と臨床的意義に関する検討-1-
  • キカンシ ゼンソク ニ オケル ベータ2 シゲキザイ ニヨル ケッチュウ イン

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抄録

気管支喘息の成因の1つとして β-adrenergic blockade 説があり, この指標の1つとして, 従来, アドレナリンに対する血糖の変動をみるという方法が行われてきた.しかし最近, β_2刺激剤により血糖よりもインスリン分泌が選択的に反応するとの報告がある.そこで, 気管支喘息患者, 糖尿病患者, 健常者に対し, ブドウ糖負荷およびβ_2刺激剤負荷を行い, 血糖曲線, インスリン分泌曲線の比較検討をし, 以下の結論をえた.1. β_2刺激剤負荷時の血糖曲線は, わずかな上昇をみるのみで, 気管支喘息, 糖尿病, 健常者の3群の間に有意差はみられなかった.2. β_2刺激剤負荷時のインスリン分泌が健常者群に比し有意の差で低下していたのは, 気管支喘息群で, 重症度に比例してインスリン分泌の低下がみられた.3. β_2刺激剤負荷による血中インスリン値の変動を観察することは, 気管支喘息の β-adrenergic blockade の状態を示唆する方法として有用で, 気管支喘息では膵β細胞においても β-adrenergic blockade の状態が形成されているものと考えられる.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 26 (9), 657-662,673, 1977

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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