抗核抗体のヒトIgG (特にFc部分) との交叉反応性について

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タイトル別名
  • CROSS-REACTIONS OF CERTAIN HUMAN ANTINUCLEAR ANTIBODIES WITH HUMAN IgG
  • コウカク コウタイ ノ ヒト IgG トクニ Fc ブブン ト ノ コウサ ハ

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抄録

SLE 16例, RA 3例, MCTD 2例, その他疾患4例における血清中の抗核抗体(ANA)が, その血清をヒト及び種々動物由来のIgGと反応させることによりいかなる影響を受けるかを間接蛍光抗体法を用いて検討した.その結果, SLE16例中10例, RA 3例中1例, MCTD 2例中2例, その他疾患4例中2例(PSS 1例, 膜性腎症1例)でヒトIgGによりANA活性が消失した.更に各種処理したヒトIgGでのANA阻止試験の結果よりこの反応に関与するのはヒトIgGのFc部分であることが示唆された.なお同様に処置しても血清中抗サイログロブリン抗体活性は影響を受けないこと, IgG-IgG間の非特異的反応, LFT陽性RFの関与なども否定的なことよりこの反応は特異的であろうと考えられた.一方, 熱変性ヒトIgGまたはFcと非働化患者血清を用いた二重免疫拡散法でcross-reactive ANAを有するseronegarive SLE 5例中熱変性ヒトIgGで2例, 同処理Fcで3例に沈降線を認めたことはこのANAがRF活性を有する可能性を支持する所見と思われる.以上より, ある種のANA(主としてIgG ANA)はヒトIgG, 特にFc部分と交叉反応性を示し, RF活性を有することが示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 32 (5), 256-267, 1983

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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