Eosinophil Cationic Protein(ECP)の血清中濃度測定値に及ぼすテオフィリンの影響

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  • THEOPHYLLINE REDUCES SERUM LEVELS OF ECP IN VITRO

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抄録

血清中に存在するテオフィリンが血清ECP測定値に与える影響について検討した.アレルギー患者より採血した血液に各種濃度のテオフィリンを添加, 一定時間の後, 血清分離を行い, ECP値を比較した.その結果, 採血後に添加したテオフィリンは濃度依存性に血清ECP濃度を低下させ, 有効血中濃度付近でも約12〜20%程度の低下率が認められた.一方, EDTA加血漿のECP値はきわめて低く, テオフィリンも影響を与えなかった.テオフィリンをボランティアに服用させ, in vivoでの血清ECPに対する作用の観察も試みたが, 対象者の血清ECPの日内変動が大きく, 比較することはできなかった.以上, テオフィリンが採血後の凝固過程における好酸球からのECP遊離を抑制することを明らかとした.これはテオフィリンの抗炎症作用を示唆するものであるとともに, 同剤服用中の患者の血清ECPが「見かけ上の低値」を呈する可能性も示し, 検査値の評価の際に留意すべき点と考えられた.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 47 (5), 518-523, 1998

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (15)*注記

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