アトピー性皮膚炎に対する塩酸オロパタジンの有効性の検討

  • 清水 忠道
    北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
  • 増子 麻希
    北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
  • 清水 宏
    北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • EXAMINATION OF EFFECTIVENESS OF OLOPATADINE HYDROCHLORIDE IN ATOPIC DERMATITIS
  • アトピーセイ ヒフエン ニ タイスル エンサン オロパタジン ノ ユウコウセイ ノ ケントウ

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説明

アトピー性皮膚炎患者17名に, 塩酸オロパタジン(アレロック(R)錠)を投与し, 投与前後の自他覚症状(そう痒, 丘疹, 紅斑, 苔癬化, 落屑, 掻破痕, びらん)およびIgE, LDH, interleukin(IL)-6, thymus and activation-regulated chemokine(TARC)の推移を検討した. 自他覚症状の推移の比較では, 塩酸オロパタジン投与後に有意な改善が認められ, 併用しているステロイド外用剤の総量も有意(p<0.05)に減量した. IgE, II-6, LDHは投与前後の値に変化は認められなかったが, TARCは有意(p<0.05)に減少した. また, IgE, IL-6, LDH, TARCの投与前後値の差について各パラメーター間で相関性を検討したところ, IgEとTARC値間(r=0.62, p<0.01), IL-6とTARC値間(r=0.78, p<0.01)では正の相関があった. 塩酸オロパタジンはアトピー性皮膚炎の治療において症状改善に有用であり, TARCは症状の改善の指標となると推察された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 54 (2), 68-75, 2005

    一般社団法人 日本アレルギー学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (17)*注記

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