歯科併設のない人工透析実施医療機関における医科歯科連携

  • 吉岡 昌美
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健福祉学分野
  • 白山 靖彦
    徳島大学大学院医歯薬学研究部地域医療福祉学分野
  • 井本 逸勢
    徳島大学大学院医歯薬学研究部人類遺伝学分野
  • 柳沢 志津子
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健福祉学分野
  • 日野出 大輔
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔保健衛生学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Collaborative Relationship between Dialysis Facilities without a Dental Department and Dental Facilities
  • シカ ヘイセツ ノ ナイ ジンコウ トウセキ ジッシ イリョウ キカン ニ オケル イカ シカ レンケイ

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説明

 透析患者は口腔内に問題を抱えやすい傾向があるため,予防的歯科受診が非常に重要である.本研究では歯科併設のない人工透析実施医療機関における医科歯科連携について調査し,透析患者の予防的歯科受診を促す方策を見出すことを目的とした.人工透析実施医療機関を対象とした全国調査において,歯科併設のない1,142の医療機関から得られたデータを統計学的に分析した.医療機関を病床規模別に分類し,協力歯科医院の有無や日常的な連携の有無,歯科との連携に対する考え方について比較した.さらには透析患者の歯科受診推進のための方策に対する期待度についても分析した.その結果,いずれの群でも「協力歯科医院あり」と「日常的連携あり」との間には有意な関連性が認められた(χ2検定: p<0.01).透析患者の歯科受診を推進する方策としては「透析病院と地域歯科診療所との連携強化」や「透析病院スタッフに対する啓発」に期待度が高く,"日常的連携あり群"では"なし群"に比べて「透析病院と地域歯科診療所の連携強化」に対する期待度が有意に高かった(マンホイットニーU検定: p<0.01).以上のことから歯科との連携を推進するためには,まず協力歯科医院をもつことが効果的であることが示唆された.また,すでに日常的連携が図れている医療機関では,既存の連携を強化することにより透析患者の歯科受診を推進できる可能性が示唆された.

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