急性期病院の脳神経疾患患者に対する口腔ケアニーズの分析

  • 吉岡 昌美
    徳島大学歯学部口腔保健学科:徳島大学医学部・歯学部附属病院歯科衛生室
  • 藤井 裕美
    徳島大学医学部・歯学部附属病院診療支援部
  • 廣瀬 薫
    徳島大学医学部・歯学部附属病院診療支援部
  • 坂本 治美
    徳島大学医学部・歯学部附属病院診療支援部
  • 十川 悠香
    徳島大学医学部・歯学部附属病院診療支援部
  • 松本 尚子
    徳島大学歯学部口腔保健学科
  • 星野 由美
    徳島大学歯学部口腔保健学科
  • 福井 誠
    徳島大学医学部・歯学部附属病院歯科衛生室:徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部予防歯学分野
  • 横山 正明
    徳島大学医学部・歯学部附属病院歯科衛生室:徳島大学医学部・歯学部附属病院口腔管理センター
  • 日野出 大輔
    徳島大学歯学部口腔保健学科:徳島大学医学部・歯学部附属病院歯科衛生室

書誌事項

タイトル別名
  • Analyses of Oral Health Care Needs of Hospitalized Patients with Neurological Disorders
  • キュウセイキ ビョウイン ノ ノウ シンケイ シッカン カンジャ ニ タイスル コウクウ ケア ニーズ ノ ブンセキ

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説明

われわれは,平成16年より徳島大学病院栄養サポートチームの一員として病棟における専門的口腔ケアを展開してきた,当初より,脳神経疾患をもつ患者の占める割合が多く,平成20年2月までの間,計143名の当該患者の口腔ケアを行った.本研究では,これらの患者の初診時における口腔内状態および全身状態について調査し,口腔ケアのニーズにかかわる要因について統計学的に検討した.その結果,約80%の人が「口腔周囲筋や舌の動き」が十分でなく,約60%の人に「口腔乾燥」の発現や「意識レベル」の低下を認め,約25%の人に「不随意の常時開口」がみられた.ロジスティック回帰分析の結果,「口腔乾燥」の強さが多量の「不潔物付着」に強く寄与することが示唆された.また,「口腔乾燥」の強さは「常時開口」がみられる,「うがい」が不可能あるいは不十分,「口腔周囲筋や舌の動き」が低下,「意識レベル」が低下,といった脳神経疾患患者で高頻度にみられる所見と有意な関連を示すことが確かめられた.これらのことから,意識レベルの低下および常時開口がみられる患者に対しては,急性期から口腔乾燥を予防するとともに良好な口腔衛生状態の保持に努め,口腔機能にも配慮した専門的口腔ケアを行っていく必要性が示唆された.

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (20)*注記

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