徳島県における妊婦歯科健診受診者の口腔保健の現状および低体重児出産との関連性

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  • Oral Health Status of Pregnant Women Examined in Tokushima Prefecture, and its Relationship with a Low-birth-weight Outcome
  • トクシマケン ニ オケル ニンプ シカ ケンシン ジュシンシャ ノ コウクウ ホケン ノ ゲンジョウ オヨビ テイタイジュウジ シュッサン ト ノ カンレンセイ

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抄録

近年,妊娠期の歯周病が低体重児出産(2,500g未満での出産)の危険因子として注目されている.徳島県では,平成17年度8020運動特別推進事業の一環として妊婦歯科健診が実施された.本研究では,妊婦歯科健診で得られた739名の健診結果ならびにアンケート結果より,妊婦の口腔保健の現状を調査した.その結果,口腔内に不満や不自由を覚える者は454名(61.4%),ブラッシング時に出血を認める者は380名(51.4%),未処置歯または楔状欠損歯を有する者は406名(54.9%),4mm以上の歯周ポケットを有する者は301名(40.7%)と高い値が示された.一方,定期的に歯科医院を受診している者は136名(18.4%)と低い値であった.さらに,産後に出生児の出生時体重を郵送法にて調査し,回答が得られた227名について,口腔保健の現状と低体重児出産との関連性について検討を行った.ロジスティック回帰分析の結果,喫煙習慣(OR 5.96, 95%CI 1.16-30.53, p=0.03)および4mm以上の歯周ポケットを有する状態(OR 3.34, 95%CI 1.18-9.42,p=0.02)が低体重児出産に有意に関連していた.今後,妊婦に対しては,歯科医院の定期受診率を上げることに加え,さらに充実した禁煙支援を含めた歯周状態の管理が必要であると考えられる.

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