局所高度進行食道癌への対応

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タイトル別名
  • Treatment Strategy for Locally Advanced Unresectable Esophageal Cancer
  • キョクショ コウド シンコウ ショクドウガン エ ノ タイオウ

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抄録

食道癌に対する治療は主に外科治療,放射線治療,化学療法よりなっている。近年では国内外のさまざまな臨床試験の結果よりこれらの治療を組み合わせた集学的治療が有用であるとされている。その結果,食道癌に対する治療成績は向上しているが,その成績はいまだ満足できるものではなく,特に局所高度進行切除不能食道癌の成績は外科治療が主な治療となりえないこともあり,化学放射線治療による治療成績は3年生存率25%程度である。治療成績が向上しない原因としては,原病の制御率の低さが最大の原因であるが,一方で治療による有害事象も無視できないところである。これらの問題を解決すべく,近年では化学療法において薬剤の多剤化,分子標的薬剤の導入,放射線治療においては多門照射や強度変調放射線治療 (IMRT) および陽子線治療などの粒子線の導入による治療強度を上げつつ,有害事象の軽減を図っている。さらには化学療法や放射線治療が奏効し切除可能となった場合には積極的に外科手術を行うという考え方も出てきており,今後の報告が待たれる。

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