下咽頭癌原発巣に対する放射線治療の効果—特に放射線単独と化学放射線同時併用の違いについて—

  • 中原 晋
    大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 大阪大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
  • 吉野 邦俊
    大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 藤井 隆
    大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 上村 裕和
    大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 鈴木 基之
    大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 西山 謹司
    大阪府立成人病センター 放射線治療科

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy of Radiotherapy for Local Control of Hypopharyngeal Cancer<br>—The Difference between Radiation Alone and Concurrent Chemoradiotherapy—
  • 下咽頭癌原発巣に対する放射線治療の効果 : 特に放射線単独と化学放射線同時併用の違いについて
  • シタ イントウガン ゲンパツ ソウ ニ タイスル ホウシャセン チリョウ ノ コウカ : トクニ ホウシャセン タンドク ト カガク ホウシャセン ドウジ ヘイヨウ ノ チガイ ニ ツイテ
  • Efficacy of Radiotherapy for Local Control of Hypopharyngeal Cancer^|^mdash;The Difference between Radiation Alone and Concurrent Chemoradiotherapy^|^mdash;

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説明

下咽頭癌における喉頭温存は治療目標の一つであり,近年は化学放射線同時併用療法 (CRT) が多用されている。しかし,原発巣に関してはT1-2であれば放射線単独療法 (RT) でも制御良好とされており,CRTとRTにおける原発制御効果の違いは不明瞭である。今回われわれは,2007年1月~2009年12月の3年間に大阪府立成人病センターで放射線治療を開始した下咽頭癌101例 (RT : 52例,CRT : 49例) において,特に原発制御に関する検討を行った。全体の2年無再発原発制御率はRTで69%,CRTで84%であったが有意差を認めなかった。T4 (RT : 1例,CRT : 4例) はすべて遺残または再発していたため,T1-3で検討すると2年無再発原発制御率はRTで70%,CRTで91%となり有意差を認めた。原発制御率に影響を与えうる因子としてCRTが有意にRTより優れていたのは,T分類がT1-3 (特にT3) の場合,亜部位が梨状陥凹の場合,先行頸部郭清を施行している場合であった。また,CRTにおいて高用量シスプラチン (目標:80mg/m2×3回) を投与した場合は,2回相当分以上投与しなければ良好な原発制御が得られない可能性が示唆された。

収録刊行物

参考文献 (12)*注記

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