食道粘膜下血腫の2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Submucosal Hematoma of the Esophagus
  • 症例 食道粘膜下血腫の2例
  • ショウレイ ショクドウ ネンマク カケッシュ ノ 2レイ

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抄録

<p>症例1 : 81歳,男性。下血を契機に横行結腸癌と診断された。術前スクリーニングの上部消化管内視鏡で早期胃癌と診断され,横行結腸癌術前に内視鏡的粘膜下層剥離術 (以下ESD) を先行した。ESD施行後,内視鏡抜去時に上切歯列より30 cmから下部食道にかけて粘膜下血腫の出現を認めた。内視鏡刺激により生じた粘膜下血腫と診断し,保存的治療を行い軽快した。症例2 : 73歳,男性。心筋梗塞の既往がありバイアスピリンを内服中,また慢性C型肝炎の診断で経過観察中であった。夕食後からの心窩部痛を主訴に前医を受診し上部消化管内視鏡で中部食道から食道胃接合部にかけて粘膜下に血液貯留と出血を認めた。食道静脈瘤破裂の疑いにて当院救急外来に救急搬送となった。当院で施行した緊急上部消化管内視鏡では上切歯列より25 cmから食道胃接合部にかけて粘膜下血腫の形成と接合部付近に裂傷および粘膜脱落を認めた。特発性食道粘膜下血腫と血腫の脱落と診断し,入院のうえ保存的加療を行い軽快した。特発性食道粘膜下血腫と内視鏡刺激による食道粘膜下血腫の成因の異なる2例を経験したので文献的考察を加えて報告する。</p>

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