骨髄腫前駆細胞

書誌事項

タイトル別名
  • Myeloma Precursor Cells
  • コツズイシュ ゼンク サイボウ

この論文をさがす

抄録

骨髄腫細胞の生物学的不均一性と骨髄腫細胞表面の接着分子の発現の相違に関連性が認められ,骨髄腫細胞はCD38++/VLA-5-/MPC-1-とCD38++/VLA-5+/MPC-1+に大別された。前者は未熟な形態を示し,末梢血に出現しうること,in vitroにおいてIL-6反応性を示し高い増殖能を有することから骨髄腫前駆細胞(増殖分画),後者はより高いM蛋白分泌能を有し増殖能が乏しく形態的にも成熟型で成熟骨髄腫細胞と想定された。骨髄腫前駆細胞(CD38++/VLA-5-/MPC-1-/CD10-/CD24-/CD5-/Leu8-)は,接着分子の発現の面からは骨髄preB細胞(CD38+/VLA-5+/MPC-1-/CD10+/CD24+/Leu8-)よりはむしろリンパ組織胚中心B細胞(CD38+/VLA-5-/MPC-1-/CD10+/CD24-/CD5-/Leu8-)に類似性がみられた。骨髄腫前駆細胞の同定とその生物学的性状,特にその増殖機構の特徴を明らかにすることは骨髄腫の病態解明および治療戦略上,重要である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 34 (4), 433-438, 1993

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ