著明な好酸球・好塩基球増加を伴った骨髄異形成症候群の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Myelodysplastic Syndrome Associated with Marked Eosinophilia and Basophilia

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説明

好塩基球増多は,慢性骨髄増殖性疾患に伴うことが多く,骨髄異形成症候群(MDS)に合併することは比較的まれと考えられている。今回,好塩基球と好酸球増多をきたしたMDS (refractory anemia with excess of blasts; RAEB)と思われる症例を経験したので報告する。症例は82歳男。著明な正球性正色素性貧血(Hb 5.6 g/dl)および白血球数9,200/μlと正常だが,分画にて好塩基球34.5%, 好酸球19.5%と著明な増加を認めた。骨髄では芽球9%, 好塩基球・好酸球それぞれ6.4%と増加していた。RAEBと診断し,輸血・ウベニクス投与にて経過観察したが好塩基球・好酸球は減少せず貧血改善も認めなかった。染色体では47, XY, +8, i(17q)と異常を認めた。本染色体異常はCMLの急性転化期に付加染色体異常として認められることが多いが,本症例はPh1染色体・bcr遺伝子再構成はともに認められず,CMLは否定的であり,好酸球・好塩基球増多は,MDSに伴うクローン性異常によるものと思われた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 33 (2), 189-193, 1992

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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