EBウイルス感染と血液疾患

  • 澤田 明久
    大阪府立母子保健総合医療センター 血液・腫瘍科

書誌事項

タイトル別名
  • Epstein-Barr virus infection and related hematological diseases
  • EB ウイルス カンセン ト ケツエキ シッカン

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説明

<p>EBウイルスEpstein-Barr virus (EBV)は初感染後,生涯にわたってB細胞に潜伏感染する。しかしまれにT細胞やNK細胞(T/NK細胞)にも感染することがある。それゆえEBVが引き起こす血液疾患は多彩となる。中でも慢性活動性EBV感染症chronic active EBV infection (CAEBV)は診断や治療が難しいと思われがちである。しばしば見られつつもまれな疾患であることに変わりはなく,加えて診断方法はいまだ保険収載されておらず,また活動間欠期には重症感が乏しいため,開始すべき早期治療に危機感が伴わない。しかしやがて本疾患は豹変する。そして治療に反応しなければ致死的経過をたどるのである。同種造血幹細胞移植が現在ほぼ唯一の根治療法である。診断がつけば早期に治療を開始し,多剤併用化学療法で安全に橋渡しを行い,計画的で安全な移植による高い治癒率に繋げたい。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (10), 2267-2274, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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