慢性肉芽腫症患者に合併した多発真菌性肝膿瘍に対するLiposomal Amphotericin Bの肝動注療法

書誌事項

タイトル別名
  • Hepatic arterial infusion of liposomal amphotericin B for multiple fungal abscesses in the liver of a patient with chronic granulomatous disease
  • 症例報告 慢性肉芽腫症患者に合併した多発真菌性肝膿瘍に対するLiposomal Amphotericin Bの肝動注療法
  • ショウレイ ホウコク マンセイ ニクゲシュショウ カンジャ ニ ガッペイ シタ タハツ シンキンセイ カン ノウヨウ ニ タイスル Liposomal Amphotericin B ノ カンドウ チュウ リョウホウ

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抄録

症例は慢性肉芽腫症の26歳男性。前医のCT検査で肝膿瘍を認め,β-Dグルカン,ガラクトマンナン抗原陽性,膿瘍の培養結果からアスペルギルス肝膿瘍と診断された。併発した多発性肝膿瘍のため肝切除,およびHLA一致同胞からの造血幹細胞移植を視野に入れ,治療目的で当院へ入院。抗生剤やドレナージでのコントロールは困難と判断し,肝後区域(S6, S1)切除後,膿瘍は一旦軽快した。しかし1ヵ月後に残存肝臓に膿瘍の再発を認め,HLA一致兄からの骨髄移植を検討した。骨髄移植時期の肝膿瘍増悪対策の一つとして,Liposomal Amphotericin B製剤25 mg/日の持続肝動注を開始,全身状態の悪化や副作用もなく安全に投与可能であった。その後も感染症の再燃は認めず,骨髄移植を施行し,移植後経過は良好で,肝膿瘍も消失した。L-AMBの肝動注療法は肝膿瘍の治療手段として有効な投与方法と考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 51 (5), 345-348, 2010

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (14)*注記

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