皮膚白血球破砕性血管炎の経過中に発症したt(X;14)(p11.2;q32)を持つMALTリンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • MALT lymphoma with t (X;14) (p11.2;q32) developing during the course of cutaneous leukocytoclastic angitis
  • 症例報告 第6回日本血液学会関東甲信越地方会 優秀演題 皮膚白血球破砕性血管炎の経過中に発症したt(X;14)(p11.2;q32)を持つMALTリンパ腫
  • ショウレイ ホウコク ダイ6カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ユウシュウ エンダイ ヒフ ハッケッキュウ ハサイセイ ケッカンエン ノ ケイカ チュウ ニ ハッショウ シタ t(X;14)(p11.2;q32)オ モツ MALT リンパシュ

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抄録

<p>73歳,男性。20年前から下肢の紫斑が消長を繰り返し,201X年1月に左耳下腺が腫大して3月に当院を受診した。耳下腺の生検ではCD10陰性,CD19・CD20・κ鎖陽性の異常リンパ球がびまん性に増殖し,Ki67陽性率は10%未満でリンパ上皮性病変を伴っていた。以上から節外性濾胞辺縁帯粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALTリンパ腫)と診断した。G分染法でt(X;14)(p11.2;q32)を認め,FISHでimmunoglobulin heavy chain(IGH)遺伝子のシグナルを派生X・14番・派生14番染色体の3ヶ所に検出した。耳下腺のCT所見はSjögren症候群を示唆し,下肢の紫斑は生検により白血球破砕性血管炎であることがわかった。これまで7例のt(X;14)を持つリンパ腫が報告されている。全例が自己免疫疾患を合併し,5例がMALTリンパ腫で,1例は節性MALTリンパ腫,1例はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。この転座を持つMALTリンパ腫は新たな病型を形成すると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (3), 269-274, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

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