同種移植後に生じたクローン病様消化管病変に対するinfliximabの効果

書誌事項

タイトル別名
  • Infliximab therapy for Crohn's-like gastrointestinal lesions after allogeneic bone marrow transplantation
  • 症例報告 同種移植後に生じたクローン病様消化管病変に対するinfliximabの効果
  • ショウレイ ホウコク ドウシュ イショク ゴ ニ ショウジタ クローンビョウ ヨウ ショウカカン ビョウヘン ニ タイスル infliximab ノ コウカ

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抄録

症例は45歳男性。2009年9月に発症したKIT陽性t(8;21)急性骨髄性白血病。初回寛解導入療法に不応もcytarabine大量療法による寛解導入を達成。しかし,分子生物学的再発を認めたため,骨髄破壊的前処置の後HLA完全一致同胞から同種骨髄移植を実施した。慢性GVHDの治療経過中の移植後1年経過時に難治性痔瘻が出現。大腸内視鏡検査より,同種骨髄移植後慢性期におけるクローン病様消化管病変と診断した。クローン病に準じ,栄養療法実施したが改善は得られず,cyclosporineの再増量を行うも効果は認めなかった。Infliximabを投与したところ,消化管病変および痔瘻は速やかに改善し,以後無治療で3年間再燃を認めていない。消化管慢性GVHDに対するinfliximab投与の有用性を示した報告は乏しいが,同種移植後慢性期においてクローン病様病態を呈した場合,早期のinfliximab投与の有用性が示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (12), 2452-2455, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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