単純ヘルペスウイルスの型特異モノクローナル抗体作製および臨床分離株型別への応用

書誌事項

タイトル別名
  • Monoclonal Antibodies to Herpes Simplex Viruses Antigens-Specificity and Utility in Rapid Serotyping of Clinical Isolates
  • タンジュン ヘルペス ウイルス ノ カタトクイ モノクローナル コウタイ サク

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説明

単純ヘルペスウイルス (HSV) の型特異モノクローナル抗体を細胞融合法により作製した. IFAおよびELISAスクリーニングによりHSV-1あるいはHSV-2に対して単独に反応する抗体産生ハイブリドーマをそれぞれ16株, 22株得たが, このうち抗HSV-14株, 抗HSV-27株について, クローニング後マウス腹腔内接種によりモノクローナル抗体を得た. IFAでHSV-1特異的であったモノクローナル抗体は, WB法では1型特異的な100および70KD, あるいは150KDの抗原と反応したものが各1クローン, HSV-1,-2共通の50KDにのみ反応したものが2クローンであった.また, IFAでHSV特異的であった抗体は, 2型特異的な100KDのみ, あるいは30, 25および20KDの3種の抗原と反応したものが各1クローン, HSV-1, 2共通の50KDにバンドを示したものが2クローンであった. HSVに特異的なバンドが認められなかった残りの3クローン中2クローンはIgMであった.<BR>得られたモノクローナル抗体を用いて, 臨床分離株の型別を試みたところ, HSV-1に特異的な4クローンは, いずれもHSV-1の20株にのみ特異的に反応した. 他方, HSV-2特異的な7クローンは, 全クローンHSV-1株とは反応しなかったが, HSV-2に対しては, 16株全株と反応するもの5クローン, 16株中2または4株と反応しないもの2クローンに分かれた. これらの結果は, HSV-2が型特異モノクローナル抗体によりさらに細分される可能性を示唆している.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 65 (3), 293-298, 1991

    一般社団法人 日本感染症学会

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