外科域における重症細菌感染症に対する静注用人免疫グロブリン (SM-4300) と抗生剤との併用効果

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タイトル別名
  • Therapeutic Effects of SM-4300, Antibiotics Combinations Against Severe Bacterial Infections in the Field of Surgery
  • ゲカイキ ニ オケル ジュウショウ サイキン カンセンショウ ニ タイスル ジ

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説明

新規非修飾型静注用乾燥イオン交換樹脂処理人免疫グロブリン製剤SM-4300と抗生剤との併用効果および安全性と有用性について検討し, SM-4300は外科領域における重症細菌感染症に対して, 抗生剤と併用して, その臨床効果ならびに細菌学的効果が期待され, 安全かつ有用な静注用人免疫グロブリン製薬であると考えられる結果を得た.<BR>対象は昭和57年12月から昭和59年3月までに全国35施設に入院した重症細菌感染症患者で, 3日以上の抗生剤療法による治療効果が不充分かあるいは認められなかった153例にSM-4300が投与された.<BR>主治医判定の評価対象は129例で, 著効12例 (9.3%), 有効44例 (34.1%), やや有効39例 (30.2%), 無効34例 (26.4%) であり, 有効以上の有効率は43.4%で, やや有効を含めると73.6% の有効率であった.<BR>判定委員会における採用症例は82例で, 著効8例 (9.8%), 有効37例 (45.1%), やや有効21例 (25.6%), 無効16例 (19.5%) であり, 有効率は54.9%で, やや有効を含めると80.5%であった. また, これらのうち, 細菌学的効果を検討し得た症例は52例で, 分離菌別細菌学的効果は57株中菌消失22株 (38.6%), 菌減少8株 (14.0%), 不変27株 (47.4%) であった.<BR>判定委員会採用症例について, 基礎疾患の種類, 感染症の種類, 原因菌の種類ならびにSM-4300の投与量および投与回数と臨床効果の関係について検討したが, 一定の傾向は認められなかった.<BR>副作用については, SM-4300の投与された全153例のうち, 自・他覚的副作用の発現した例はなく, 臨床検査値異常は3例 (2.0%) に認められたが, いずれも臨床上問題と考えられるものはなかった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 58 (12), 1315-1328, 1984

    一般社団法人 日本感染症学会

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