吸着体による抗菌剤の除去に関する基礎的検討

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タイトル別名
  • In Vitro Evaluation of Antimicrobials Removal with Adsorbens
  • キュウチャクタイ ニ ヨル コウキンザイ ノ ジョキョ ニ カンスル キソテキ

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説明

血液培養検体中の抗菌剤の除去方法として市販のAntimicrobial Removal Device (Marion Laboratories, Inc., Kansas City, Mo) (以下ARDと略す) と2種類のactivated charcoal (uncoatedヤシガラ炭とcellulose coatedビーズ炭) を用い, 15種類の抗菌剤に対する除去能力を検討した.<BR>ARDは15種類の抗菌剤に対して約97%~100%の除去能力を示した. しかし残留抗菌剤のうち, 抗菌力の強い薬剤β-lactamaseなど薬剤不活化物質に安定な薬剤に対して使用する場合や検体中に菌数が少ない場合には, 除去効果が十分現われないことが示唆された.<BR>ヤシガラ炭はアミノグリコシド系剤ならびにPPAを除けば, ARDよりもすぐれた除去能力を示した. しかしビーズ炭ではほとんど除去能力を示さなかった.<BR>ARD処理によって, 検体中の菌数減少は認められなかったが, activated charcoalとくにヤシガラ炭では菌数は減少し, 実際使用にあたっては今後さらに検討が必要である.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 59 (11), 1073-1083, 1985

    一般社団法人 日本感染症学会

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