ロア糸状虫症の1症例

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タイトル別名
  • A Case of Loiasis

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抄録

確定診断された症例として本邦第2例, 日本人の症例としては本邦第1例のロア糸状虫症の症例を報告する. 患者は53歳の男性. 昭和57年4月から9月までザイール共和国に滞在した. 昭和59年頃よりときおり前腕に蚤痒感をともなった一過性の腫脹が起こるようになった.昭和62年6月, 右眼痛が突然起こり, 右眼結膜下よりロア糸状虫雌成虫が摘出された. 併せてミクロフィラリア血症 (4~5/mm3) も認められた. コルチコステロイドおよび抗ヒスタミン剤併用下にジエチルカルバマジン漸増投与を行ない, 末梢血中のミクロフィラリアは投与開始後9日目には検出されなくなった. この間, 7日目に右大腿屈側皮膚に移動性の線状疹を生じ, 生検の結果雌成虫を検出した. 2ヵ月後の再検査でもミクロフィラリアは検出されず, 自覚症状も出現していない.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 62 (5), 490-494, 1988

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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