マウス実験的尿路感染症による大腸菌の尿路病原性の評価

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タイトル別名
  • Experimental Urinary Tract Infection in Mice to Evaluate the Pathogenicity of <I>Escherichia coli</I>
  • マウス ジッケンテキ ニョウ ミチ カンセンショウ ニ ヨル ダイチョウキン
  • Experimental Urinary Tract Infection in Mice to Evaluate the Pathogenicity of Escherichia coli

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抄録

尿路感染症患者の尿と糞便より分離されたEscherichia coli30株を用いたマウス実験的尿路感染症により, 尿由来株は糞便由来株に比較して実際に尿路への病原性が強いのかを検討した. 120匹のマウスを使用し, 1匹につき107個の菌を経尿道的に膀胱内に接種した. この際マウスの抵抗力を減弱させる様な処置は何も加えなかった. 約半数の腎から菌が検出されたが, その腎中の菌濃度は低かった.<BR>O血清群別にみたとき, 尿路感染症より高頻度に分離されるO血清群は他のO血清群と比較して特に高度の炎症を引き起こすということはなかった.<BR>しかし, 由来別にみたとき, 尿由来株は糞便由来株に比較して, 高頻度にそして高濃度にマウス腎より検出された. それ故, 尿路感染症の原因菌は単なる日和見菌ではなく, 何らかの尿路親和性を有する菌群であると結論された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 60 (7), 666-672, 1986

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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