アルコール性ケトアシドーシスの急性期に著明な低血糖を呈した1例

  • 松崎 公信
    地域医療機能推進機構 九州病院 神経内科
  • 白石 渉
    地域医療機能推進機構 九州病院 神経内科
  • 岩永 育貴
    地域医療機能推進機構 九州病院 神経内科
  • 山本 明史
    地域医療機能推進機構 九州病院 神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Alcoholic Ketoacidosis Accompanied with Severe Hypoglycemia
  • 症例報告 アルコール性ケトアシドーシスの急性期に著明な低血糖を呈した1例
  • ショウレイ ホウコク アルコールセイ ケトアシドーシス ノ キュウセイキ ニ チョメイ ナ テイケットウ オ テイシタ 1レイ

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説明

症例は55歳,アルコール多飲歴のある男性で,来院の数日前からほとんど食事を摂取していなかった.自宅で突然意識障害を呈し当院に救急搬送された.来院時は意識障害を呈しており,検査所見で著明な低血糖とβ-ヒドロキシ酪酸優位のケトアシドーシスを認めた.生活状況も勘案してアルコール性ケトアシドーシス(AKA)と診断した.ブドウ糖投与と補液で症状は速やかに改善した.AKAは腹痛,悪心,嘔吐などの症状を呈するが,アシドーシスの程度に比して意識清明であることが多いとされる.しかし本症例では,低血糖を合併したために意識障害を呈した.本症例の低血糖の原因として,経口摂取不良の関与が疑われた.アルコール多飲状態では,糖質摂取量の低下,糖新生の抑制,肝グリコーゲンの貯蔵不足などの要因から本症例のように低血糖を生じ,時にAKAと合併する.今回われわれは,AKAに著明な低血糖を合併した症例を経験したため,考察を加えて報告する.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 37 (1), 43-47, 2015-03-01

    学校法人 産業医科大学

参考文献 (4)*注記

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