猫の腎性貧血の臨床病理学的検討

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  • Clinicopathological Analysis of Feline Renal Anemia

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慢性腎疾患(CKD)において貧血を呈した猫65頭(CKD群)と健常猫10頭(健常群)の間で血中血球容積(PCV),クレアチニン(Cre),エリスロポエチン(EPO),血清鉄,総鉄結合能(TIBC),トランスフェリン飽和度を測定し,各項目の値を比較検討した。EPOは両群に有意差は認められなかったが,血清鉄およびTIBCは健常群に比べCKD群では有意に低下していた。血清鉄,TIBCがともに低下することは慢性疾患に伴う貧血(Anemia of Chronic Disease: ACD)の所見と一致し,猫のCKDにおける貧血にはACDの関与が考えられた。またCKD群における各項目値の相関性を調べたところEPOとTIBCにのみ正の相関が認められ,EPOの分泌は貧血やCKDの重症度よりも慢性炎症の程度に左右される可能性が高いと考えられた。

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