天然苦味料ニガヨモギ抽出物中の主成分アブシンチンの分析

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  • Analysis of Absinthin in Absinth Extract Bittering Agent

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天然苦味料ニガヨモギ抽出物は既存添加物収載品目リストにその基原・製法・本質として、「キク科ニガヨモギ(Artemisia absinthium L.)の全草より、水又は室温時エタノールで抽出したものである。主成分はセスキテルペン(アブシンチン(absinthin)等)である。」と記載されているが、天然苦味料としての本抽出物の成分組成について十分に検討された例はない。そこで、ニガヨモギ抽出物中の主成分アブシンチンの有無を確認するとともにその分析法について検討した。ニガヨモギ抽出物製品をシリカゲルおよびODSオープンカラムクロマトグラフィーに付し、分画を繰り返し、化合物1および2を得た。NMRおよびFABMSによる解析の結果、化合物1がニガヨモギの主成分とされるアブシンチン、化合物2がセスキテルペンニ量体の1つであるアナブシンチンと同定した。ニガヨモギ抽出物製品より単離・精製したアブシンチンを用いて本抽出物製品中のアブシンチンをHPLCにより定量した結果、製品中に2.0%含まれることを明らかとした。また、基原植物とされるニガヨモギ(A. absinthium)の地上部を50% EtOHで抽出し、その抽出物とニガヨモギ抽出物製品をTLCおよびHPLCによって比較した結果、ほぼ等しいパターンを示したことから、本抽出物製品が、既存添加物収載品目リストの記載の通り、ニガヨモギを基原植物としていることが確認できた。

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