日本の常緑性ツツジ品種における見染性形質の花器形態と遺伝性

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タイトル別名
  • Floral Morphology and Inheritance of the Long-lasting Flower Trait (Misome-Sho) in Japanese Evergreen Azalea Cultivars
  • ニホン ノ ジョウ リョクセイ ツツジ ヒンシュ ニ オケル ケンゾメセイ ケイシツ ノ カキ ケイタイ ト イデンセイ

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抄録

<p>日本の常緑性ツツジ園芸品種には花冠が花色の変移を伴い持続する見染性と呼ばれる花器形質が存在する.本研究では見染性形質の育種利用を目的として,見染性品種の花器形態形質ならびに雑種後代の見染性形質の遺伝性を調査した.見染性5品種はいずれも正常花と比べ小型の花冠を有しており,さらに花冠背軸面の表皮細胞が小さかった.さらに,花冠背軸面に多くの気孔と毛じが観察されたことから,見染性形質は花冠ががく化した形質であると考えられる.見染性品種と正常花を交配したF1雑種はすべて正常花が開花した.一方,見染性品種間のF1雑種はすべて見染性形質を示した.見染性品種と正常花のF1雑種間の交配から得られた雑種世代では,正常花と見染性が3 : 1に分離した.本研究の結果から,見染性形質は一遺伝子支配の劣性遺伝形質であり,異なる見染性品種間でその原因遺伝子が共通していることが示唆された.見染性品種の特徴である小型の花冠を大型に改良する育種手段として,大輪品種を交配親に用いることが有効であると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 16 (4), 383-390, 2017

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (5)*注記

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