ウメ‘南高’果実の追熟条件が梅酒の香気成分および苦み成分に及ぼす影響

  • 大江 孝明
    和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所 広島大学大学院生物圏科学研究科
  • 櫻井 直樹
    広島大学大学院生物圏科学研究科
  • 山崎 哲弘
    キリンビール株式会社生産本部技術開発部酒類技術開発センター
  • 奥井 弥生
    メルシャン株式会社生産本部品質管理部
  • 石原 紀恵
    キリンビール株式会社生産本部技術開発部酒類技術開発センター
  • 岡室 美絵子
    和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所
  • 細平 正人
    和歌山県農林水産総合技術センター果樹試験場うめ研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of the Ripening Condition of Japanese Apricot (<i>Prunus mume</i>) ‘Nanko’ Fruit on the Aroma and Bitter Components of Its Processed Liqueur
  • Effect of the Ripening Condition of Japanese Apricot (Prunus mume) ^|^lsquo;Nanko^|^rsquo; Fruit on the Aroma and Bitter Components of Its Processed Liqueur

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抄録

ウメ果実の追熟条件の違いが梅酒中の香気成分および苦み成分に及ぼす影響について調査した.におい嗅ぎ分析により,熟した果実を原料とした梅酒の芳香香気に関与する成分の一部がγ-デカラクトン,δ-デカラクトン,酪酸エチル,酢酸ブチルであると判断された.これら芳香香気成分量は,より収穫を遅らせた果実を用いた方が多く,原料果実を20℃で4日,30℃で3日追熟すると高まった.梅酒の青っぽい香気に関与する成分と判断された安息香酸エチルは,20℃では5日以内,30および35℃では3日以内の追熟により,収穫直後に漬けた場合と比べて同程度かそれ以下で推移した.また,苦みに関与するプルナシンおよびシュウ酸含量は20℃で4日,30℃で3日追熟すると減少した.以上のことから,原料果実の収穫時期や貯蔵条件により梅酒加工品の香気成分および苦み成分が大きく変わることが確認され,芳香香気を高め,青っぽい香気成分や苦み成分を抑えるためには,より熟した果実を収穫して,20℃で4日もしくは30℃で3日追熟させてから加工するのが良いと考えられた.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 11 (2), 273-279, 2012

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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