取調室のなかに心理学者は何を見るのか? : 可視化と心理学研究の可能性(法と心理学会第15回大会 公開シンポジウム)
書誌事項
- タイトル別名
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- What do psychologists perceive in the interrogation room? : Video recordings of interrogation and the future of psychological research
説明
本シンポジウムでは取調べの可視化が日本の法心理学研究にもたらす変化をめぐって討論が行われた。捜査機関から取調べの立会いや助言や、取調べの録画記録の評価を求められた経験のある法心理学者3名が、その経験に基づいて報告を行った。高木光太郎は日本における心理学的供述信用性評価と取調べ記録の関係について概観したうえで、可視化によって得られた録画記録の分析のための技術開発が今後必要となること、および、可視化を前提とした取調べ技術の向上へのサポートが不可欠であることを指摘した。森直久は録音・録画記録が取調べの事後的な精査を可能にした事例として足利事件における取調べ録音テープの分析を紹介したうえで、「会話マネジメント」という視点から取調べの質的向上をはかる可能性について検討した。仲真紀子は、司法面接を通した取調べへの支援のあり方として、(1)研修の提供、(2)個別の面接にあわせた準備、(3)面接の実施の支援、(4)録画記録の分析、評価が可能であることを指摘した。これらの報告に対して法心理学の立場から浜田寿美男が、法学の立場から指宿信が、取調べ実務経験のある法律家の立場から落合洋司が、それぞれコメントをした。
収録刊行物
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- 法と心理
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法と心理 15 (1), 23-36, 2015
法と心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205231763712
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- NII論文ID
- 110010016636
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- ISSN
- 24241148
- 13468669
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可