胃がんリスク評価ABC分類のA群における上部消化管内視鏡所見と<i>Helicobacter pylori</i>感染の状態の検討

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タイトル別名
  • Investigations on the Status of <i>Helicobacter pylori</i> (HP) Infection Status and Endoscopic Findings for ABC Classification Group A Subjects
  • 胃がんリスク評価ABC分類のA群における上部消化管内視鏡所見とHelicobacter pylori感染の状態の検討
  • イガン リスク ヒョウカ ABC ブンルイ ノ Aグン ニ オケル ジョウブ ショウカカン ナイシキョウ ショケン ト Helicobacter pylori カンセン ノ ジョウタイ ノ ケントウ

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抄録

目的:胃がんリスク評価ABC分類の結果と上部消化管内視鏡検査(以下,EGD)の所見を比較し,Helicobacter pylori(以下,HP)感染の状況を検討する.<br>方法:21ヵ月間にABC分類とEGDを実施したA群345症例を対象とした.それらについて,木村・竹本分類に基づいた内視鏡的萎縮変化,および胃炎の京都分類の胃がんリスクの内視鏡所見スコア(以下,胃炎の京都分類スコア)からスコア0点をHP未感染群,スコア1~8点をHP感染群(除菌後も含む)に分類し血清HP抗体と血清ペプシノゲン(以下,PG)値について検討を行った.<br>結果:A群345人の内視鏡画像から,木村・竹本分類で萎縮ありは7.2%,胃炎の京都分類スコアでHP感染群は7.5%であった.血清HP抗体<3U/mLの307人の内視鏡画像から,木村・竹本分類の萎縮ありは2.0%,胃炎の京都分類スコアのHP感染群も2.0%であった.胃炎の京都分類スコアでのHP感染群とHP未感染群の検討では,血清PGⅡ値で有意差が認められた.<br>結論:ABC分類でA群に分類されていても,内視鏡画像で木村・竹本分類から胃粘膜萎縮,および胃炎の京都分類スコアから胃HP感染群の存在が示唆された.HP感染はABC分類単独で診断せず血清PGⅡ値を参考にし,また,内視鏡診断を併用して胃がんリスクを評価することが望ましい.

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