パクリタキセルによる末梢神経障害に対しラフチジンとトコフェロールニコチン酸エステルの併用が著効した1例

  • 三田 礼子
    地域医療機能推進機構神戸中央病院 内科(緩和ケア)
  • 山名 順子
    地域医療機能推進機構神戸中央病院 内科(緩和ケア)
  • 近藤 盛彦
    地域医療機能推進機構神戸中央病院 内科(緩和ケア)

書誌事項

タイトル別名
  • A case of paclitaxel-induced peripheral neuropathy successfully treated with lafutidine and tocoferol nicotinate

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説明

パクリタキセル(以下,PTX)による末梢神経障害にラフチジンとトコフェロールニコチン酸エステル(以下,TN)の併用が著効した例を報告する.【症例】72歳男性,左上葉肺腺癌,肝転移と診断されたがPTX投与後に四肢のビリビリした痺れによる歩行困難を来たしたため化学療法は中止となり,転院となった.痺れはTN300mg/日では無効であったが,ラフチジン20mg/日の併用により急速に改善した.痺れはTNの減量で増悪したが,再度300mg/日への増量で改善し屋外歩行も可能となった.【考察】PTXによる末梢神経障害に対しTNとラフチジンの併用が有効であった.末梢神経の再生速度が緩徐であるのに対して薬剤量の変更で痺れが速やかに変化する点から痺れの改善はTNの微小循環改善作用とラフチジンのカプサイシン感受性知覚神経を介した血流増加および脱感作による効果と考えられた.

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参考文献 (12)*注記

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