当院臨床検査技師の末梢血幹細胞採取への取り組み

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  • APPROACH TO PERIPHERAL BLOOD STEM CELL COLLECTION BY MEDICAL TECHNOLOGISTS

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抄録

当院では,2002年3月より末梢血幹細胞(PBSC)アフェレシスを臨床工学技師(ME)が担当して開始した.CD34陽性細胞(CD34+)数評価,細胞処理,凍結は臨床検査技師(MT)が分担した.2005年1月にMEはアフェレシス業務から撤退し,以後はMTが担当した.土日休日も含めてMTによる採取の安全性確保のため一連の手技のトレーニングと業務体制の再構築を行った.<br> 採取場所は病棟個室に変更し,担当看護師が穿刺や点滴を実施した.病室には酸素,吸引の配管があり,モニター,救急カートを病室内に設置し,日直医師が待機することとした.独自の「チャート」を作成し,採取の進行状況,患者バイタルを記録した.<br> 2002年3月から2008年10月までに施行した自家PBSC採取患者29名,再構築前6名,後23名,採取回数は再構築前13回,後41回であった.<br> 2005年1月以降,土日休日の採取は0%から22%となり,保存目標CD34+数(2.0×106個/kg以上)達成率は50%から87%となった.合併症の発生に変化はなかった.<br> PBSCアフェレシス操作をMEからMTに交代したが,種々の安全対策を含む業務再構築の結果,重篤な有害事象の発生も無く,採取効率もMEの担当時と同等であった.安全性確保のための業務再構築は患者・ドナーの不安やストレスの軽減に寄与している.<br> 細胞治療関連業務は,今後,臨床検査技師の積極的関与が必要とされる分野となる.<br>

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