コウタケ子実体に含まれる温和なACE阻害物質

  • 清遠 匡章
    北見工業大学工学部化学システム工学科生物資源科学研究室
  • 鈴木 浩之
    北見工業大学工学部化学システム工学科生物資源科学研究室
  • 原 高明
    株式会社ハクジュライフサイエンス
  • 八木 勇三
    株式会社ハクジュライフサイエンス
  • 趙 南ソク
    忠北大學校農業生命環境大学山林科學部
  • 青山 政和
    北見工業大学工学部化学システム工学科生物資源科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Moderate Angiotensin I Converting Enzyme (ACE) Inhibitor from the Fruit Body of Sarcodon aspratus
  • Moderate Angiotensin 1 Converting Enzyme (ACE) Inhibitor from the Fruit Body of Sarcodon aspratus

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説明

コウタケ子実体アセトン抽出物は温和なアンギオテンシンI変換酵素(ACE)阻害活性を示した.コウタケ乾燥粉末をn-ヘキサン,アセトンで逐次抽出に供し,得られたアセトン抽出画分からD-マンニトールを単離した(収率:0.3%).この画分中にはさらにD-アラビトールが検出され,D-マンニトールとD-アラビトールのACE活性に対する50%阻害濃度(IC_<50>)はそれぞれ33.4, 34.5mg/mlと算出された.これら多価アルコール類の示す温和なACE阻害活性の作用機序を検討するため,D-ソルビトール(IC_<50>値: 31.9mg/ml)を加えた3種の多価アルコール類存在下でのACEの動態をLineweaver-Burkプロットを用いてそれぞれ評価した.その結果,それらのACE阻害機構が拮抗阻害型であること,すなわち多価アルコール類がACEの活性部位において基質と競争的に結合する拮抗剤として作用することが示唆された.さらに我々は,それら多価アルコール類の示すACE阻害活性について,炭素数が5つ以上の直鎖構造からなる分子がより有用な阻害因子であるという基礎的知見を得た.

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参考文献 (19)*注記

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