ブナシメジ子実体形成時における菌糸体内セリンプロテアーゼの精製と酵素化学的諸性質の解明

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  • Purification and characterization of intracellular serine protease produced in mycelia during fruit-body growth stage of Hypsizygus marmoreus

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抄録

ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)栽培において,菌かき後に培養基内で活性が上昇する中性プロテアーゼは,本菌の子実体形成に深く関わることが考えられる.子実体収穫後の培養基をプロテアーゼ源として,菌糸体内由来の中性プロテアーゼ(PE-4)の酵素精製と諸性質の検討を行った.PE-4は,セリンプロテアーゼ阻害剤であるPMSF,AprotininとPefabloc[○!R]SCによって完全に活性を失ったが,Phosphoramidonに感受性を示さなかった.阻害剤の影響およびN末端アミノ酸配列の結果から,PE-4はセリンプロテアーゼであると結論した.金属プロテアーゼ阻害剤であるPhosphoramidonは,本菌の子実体形成を著しく阻害するため,PE-4は子実体形成に深く関わらないことが示唆された.菌かき後から子実体成熟期における菌糸体より粗酵素を抽出し,中性プロテアーゼ活性に対するPhosphoramidon,PMSFとEDTAの阻害度合を測定したところ,PMSFによる完全な阻害は受けなかった.子実体形成においては,PE-4以外に活性化されているプロテアーゼの重要性が示唆された.

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