行動パターンの異なるマウス系統間における <i>Tryptophan 2,3-dioxygenase</i> 遺伝子の一塩基多型の同定

  • 金井 将昭
    旭川医科大学教育研究推進センター 大阪大学大学院医学系研究科生化学・分子生物学講座分子再生医学
  • 富崎 由佳理
    大阪大学大学院医学系研究科生化学・分子生物学講座分子再生医学
  • 田村 愛
    大阪大学大学院医学系研究科生化学・分子生物学講座分子再生医学
  • 中村 敏一
    大阪大学先端科学イノベーションセンタークリングルファーマ再生創薬共同研究部門
  • 船越 洋
    旭川医科大学教育研究推進センター 大阪大学大学院医学系研究科生化学・分子生物学講座分子再生医学

書誌事項

タイトル別名
  • Identification of Single Nucleotide Polymorphisms in Mouse <i>Tryptophan 2,3-dioxygenase</i> Gene
  • 行動パターンの異なるマウス系統間におけるTryptophan 2,3-dioxygenase遺伝子の一塩基多型の同定
  • コウドウ パターン ノ コトナル マウス ケイトウ カン ニ オケル Tryptophan 2,3-dioxygenase イデンシ ノ ヒトシオキ タケイ ノ ドウテイ

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抄録

近年、人獣医療ともに異常行動を含めた精神疾患が増加し、診断・治療法の確立が重要である。一方で、健全な精神発達に栄養が重要である事から、トリプトファン (Trp) 代謝系の高次脳機能に対する役割が注目されている。本研究では、Trp代謝の中心酵素Tryptophan 2,3-dioxygenase (TDO) の翻訳領域に注目し、行動パターンの異なる2系統のマウスの一塩基多型 (SNPs) を解析した。その結果、C57BL/6JとBALB/cマウス間に3種類のSNPsを同定し、その一つであるG87T変異はミスセンス変異であった。しかし、両マウス間で血漿Trp値、肝臓のTDO発現量や酵素活性に差がない事から、この変異による生理的な肝臓TDO機能の修飾は少ない事が示唆された。今後、tdo遺伝子非翻訳領域の修飾や環境因子によるTDO機能の修飾を解析する事が、精神発達の分子機序の解明に繋がる事が期待された。

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