アルカリによるペクチンの部分的脱メチル化について
説明
メトキシル含量7%以下のlow-methoxyl-pectin(以下L.M.P.)は酸によつて分離し得,かつCaのごとき微量の多価イオンの存在で,50%以下の可溶性固形物にても堅いゲルを形成し,時には1%前後の可溶性固形物でも良いゲルがつくられる1)ので,近時注目されている。L.M.P.はペクチンの有する9~12%のメトキシル基を部分的に脱メチルして得られるが,その方法に酵素法,酸法,アルカリ法の3法がある。酵素法は脱メチルが速やかで,その調節も容易であるが,製品の粘度が低く,金属イオンに敏感で,使用に当つて硬水中のCaが完全溶解を防げる場合があり,酸法は作用緩慢であり,高濃度の酸を使用する関係上施設,容器が耐酸性であることが必要で,設備に多額を要し,製品の粘度は高いが金属殊にアルカリ土類金属に敏感でないので,ゲル形成に多量の金属を要する。アルカリ法は脱メチルが速やかで調節も容易であり,製品の粘度,金属イオンに対する感度は上記2法の中間である2)3)という。この実験はアルカリ法によるペクチンの部分的脱メチルにおける触媒,およびその濃度,温度,メトキシル含量と沈澱などについて検討したものである。
収録刊行物
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- 農産加工技術研究會誌
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農産加工技術研究會誌 5 (6), 272-277, 1958
社団法人 日本食品科学工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205372697600
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- NII論文ID
- 130003966033
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- ISSN
- 03695174
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可