ゆらぎのエネルギー論 (<特集>線形応答理論から50年――非線形・非平衡の物理学)

書誌事項

タイトル別名
  • Stochastic Energetics-The Energetics of Fluctuating World (50 Years of the Linear Response Theory――Toward Nonlinear and Nonequilibrium Physics)
  • ゆらぎのエネルギー論
  • ユラギ ノ エネルギー ロン

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説明

ミクロの力学とマクロの熱力学の中間にはさまざまな時空尺度の現象がある.それらは決定的には扱えないゆらぎを伴っており力学的な側面と熱力学的な側面をあわせもつ.端的には熱がランダムな運動としてみえる.熱力学的な側面に関しては線形応答理論・搖動散逸定理がゆらぎの統計性を平均的応答に関連づけたが,力学的な立場で個々のゆらぎ過程を系のエネルギー収支に関連づける枠組がゆらぎのエネルギー論である.本解説ではその出発点となる考えを説明した後で,それから導かれるゆらぐ世界特有の現象-熱力学構造,熱の移送,準静的な操作の限界,熱の局所性と移動など-について述べる.最後に今後の展望を述べる.

収録刊行物

  • 日本物理学会誌

    日本物理学会誌 63 (10), 791-796, 2008

    一般社団法人 日本物理学会

参考文献 (24)*注記

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