Imatinib併用化学療法治療中に敗血症性ショックと急性呼吸窮迫症候群を合併したフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の1例

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  • Septic shock and acute respiratory distress syndrome in Ph-positive acute lymphoblastic leukemia treated with imatinib-containing chemotherapy: A case report

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抄録

<p>小児のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)の予後はチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の使用により改善しつつあるが,副作用や合併症など解決すべき課題も残っている.症例は13歳男児.Ph+ ALLと診断されimatinib併用による化学療法を開始したが,再寛解導入療法開始day 14から発熱性好中球減少症と血圧低下を認めた.抗菌薬を開始したが敗血症性ショックに至り,急性腎不全,腸管浮腫,急性呼吸窮迫症候群の進行により再寛解導入療法day62に死亡した.剖検所見からは敗血症性ショックからの多臓器不全が死因と考えられたが,血液培養で大腸菌が検出され,敗血症の機序は腸管を通じたbacterial translocation (BT) の可能性が示唆された.Ph+ ALLの治療中に遷延する骨髄抑制時にはimatinib併用によってBTが増強する可能性があり,速やかな抗菌薬の使用が必要である.</p>

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