口蓋裂児についての母親の関心事項の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Mothers' concerns regarding their cleft palate children

この論文をさがす

抄録

我々は, 唇顎口蓋裂児の発達を促し, 治療を効果的にすすめるためには, 母親の協力が必要であると考える.そこで口蓋裂児をもつ母親が子どもの問題について, どのような心配をもっているか, そして母親は最初, 子どもの異常について・どのような情報を得ているかということについて知る目的で, 質問紙による調査を行った.対象は・口蓋裂児の母親68名である.調査は, 初診時, 口唇形成手術時, 口蓋形成手術時に行った.その結果, 次のようなことが明らかとなった.<BR>1.最初の情報<BR>(1) 唇顎裂群と唇顎口蓋裂群の殆んどの母親は, 子どもの異常について, 入院中に知らされていたが, 口蓋裂群の場合には, 母親の2/3が知らされていた.<BR>(2) 産婦人科医が, 母親に子どもの異常を知らせる場合が多かった.<BR>(3) 説明内容としては,“診断名”と“手術をするとよくなる”が多かった.口蓋裂群では,“言語障害の危険性”の説明も多かった.<BR>2.母親の関心は, 子どもの障害の程度と子どもの発達によって異なった.母親の主な関心は, 次のようであった.<BR>(1) 唇顎裂群の口唇形成手術時:遺伝, 心理・育児, 次回の出産.<BR>(2) 唇顎口蓋裂群と口蓋裂群の初診時:術後の障害の程度-容貌と言語心理・育児, 遺伝.<BR>(3) 唇顎口蓋裂群の口唇・口蓋形成手術時:術後の障害の程度-容貌と言語遺伝.<BR>(4)口蓋裂群の口蓋形成手術時:術後の障害の程度-言語.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ